森林経営計画制度《Planning System》
計画の目的
森林経営計画とは、「森林所有者」又は「森林の経営の委託を受けた者」が、自らが森林の経営を行う一 体的なまとまりのある森林を対象として、森林の施業及び保護について作成する5年を1期とする計画です。 一体的なまとまりを持った森林において、計画に基づいた効率的な森林の施業と適切な森林の保護を通 じて、森林の持つ多様な機能を十分に発揮させることを目的としています。
計画の対象となる森林
・民有林(公有林、国有林分収造林地を含む。)を対象とします。
・森林経営計画には、属地計画(林班計画、区域計画)、属人計画があり、それぞれ次の要件を満たす必要があります。
- 属地計画
林班計画:林班または隣接する複数林班の面積の2分の1以上の面積規模であること
区域計画:市町村長が定める一定区域内において30ha以上の面積規模であること - 属人計画
自ら所有している森林の面積が100ha以上であって、その所有している森林及び森林の経営を受託している森林の全てを対象とすること
※ 属人計画は、森林所有者が単独で計画を作成する場合に限ります。共同による作成はできません。
属地計画
地形その他の自然条件等から一体として整備することを相当とする森林において作成する計画
属人計画
森林の経常の実施の状況から一体として整備することを相当とする森林において作成する計画
計画の作成者
「森林所有者」又は「森林の経営の委託を受けた者」が、単独で、又は共同で森林経営計画を作成する ことができます。
例えば、属地計画の場合
- 「森林所有者」が単独で計画を作成
(※単独で計画を作成した場合であっても、共同による計画作成の申し出があった場合には、これに協力することが重要です。) - 「森林の経営の委託を受けた者」が単独で計画を作成
- 複数の「森林所有者」が集まって、共同で計画を作成
- 「森林所有者」と「森林の経営の委託を受けた者」が共同で計画を作成
- 複数の「森林の経営の委託を受けた者」が共同で計画を作成
※「森林の経営の委託」とは、森林の施業及び保護の委託であり、「木材の販売」など財産の処分に関わることを委任することは必須ではありませんが、「木材の販売」を委託事項に含む森林経営委託契約書を結結する場合は、印紙税の課税関係が変わる場合がありますので、あらかじめ最寄りの都道府県出先機関などに相談して下さい。
計画書の主な記載事項
- 森林の経営に関する長期の方針
- 計画対象森林の現況並びに間伐及び主伐の施業履歴
- 伐採(主伐·間伐)、造林及び保育の実施計画
- 鳥獣害防止森林区域内における鳥獣害の防止の方法
- 森林の保護に関する事項
- 森林の施業及び保護の共同化に関する事項 路網整備に関する事項 森林の経営の規模拡大及びそのために必要な路網整備等の目標(必要に応じて記載)
認定申請先
(1)認定申請先
森林経営計画の対象とする森林が、
- 1つの市町村の区域内にある場合:市町村の長
- 複数の市町村にわたる場合:都道府県知事
- 複数の都道府県にわたる場合:農林水産大臣
(2)認定申請の時期
認定申請先に応じて、次に掲げる日までに認定請求書等を提出します。
- 市町村の長:森林経営計画の始期の20日前
- 都道府県知事:森林経営計画の始期の30日前
- 農林水産大臣:森林経営計画の始期の60日前
必要な書類等
1.森林経営計画認定請求書(農林水産大臣告示に定める様式による。)
2.森林経営計画書
3.添付書類
(1) 次の事項を表示した図面
- 計画対象森林の所在
- 計画対象森林の施業及び保護を実施するために必要な路網整備等の状況
- 主伐を行う区域
(2) 森林の経営の委託を受けた者であることを証する書面
(森林の経営の委託を受けた者が森林経営計画を作成する場合に限る。)
(3) 森林の施業及び保護を実施するために必要な路網整備等につき、森林の土地の所有者の同意が あったことを証する書面
事後の届け出
「森林経営計画に係る伐採等の届出書」(農林水産大臣告示に定める様式による。)
伐採、造林、路綱網整備等をした場合は、事後の届出書を認定権者に提出します。
支援処置等
森林経営計画を作成した場合、以下のような支援措置等が設けられています。
(1)税制
所得税:山林所得に係る森林計画特別控除
相続税:計画伐採に係る相続税の延納等の特例
立木及び林地に係る課税価格の特例
公益的機能別施業森林の評価減
山林についての相続税の納税猶予(規模拡大目標を定めた属人計画のみ(※)
※ 相続税の納税猶予の適用を受けようとする場 合、計画書の記載事項や必要な書類が異なり ますので、最寄りの都道府県出先機関などに 事前にご相談下さい。
(2)金融
日本政策金融公庫資金等における融資条件の優遇
(3)補助金等
森林環境保全直接支援事業(造林補助)
森林整備地域活動支援交付金
(4)再生可能エネルギー固定価格買取制度
「間伐材等由来の木質パイオマス」(40円/kWhまたは32円/kWh(税抜き価格))の区分が適用